旭山動物園。難局を乗り切っての再生を描いた津川雅彦監督の「ペンギンが空を飛ぶ」は感動の物語。
旭山動物園はいかがだろうか。動物園ごとき、ツアーに参加しなくてもと考えるかもしれないが、春先のイチゴ狩りやディズニーランドと並んで人気を呼びそう。旭山動物園のストーリーに火がついたのは05年のNHK、プロジェクトXから。以降、舞台裏話などを交えながらの日帰りツアー目的地として旭山動物園の人気は続いている。旭山動物園は1967年夏に開業、当時は75種505点の動物を普通に展示する普通の動物園だった。旭山動物園の試練が始まったのは90年代に入ってから。当時でも日帰りツアーのような企画はあったけれども、ゴリラやサルが疫病で死亡する事故が発生し、ついに入園者は盛時の半分以下に落ち込んでしまう。ここから北海道旭山動物園の再生の道が始まるのだ。NHKプロジェクトXやその後のドラマは、この旭山動物園再生への試練と、努力が綴られている。角川映画での映画化作品「ペンギンが空を飛ぶ」はマキノ雅彦(津川雅彦)監督作品、さらに当時の情景を深く掘り下げる作品となっている。
旭山動物園を家族といっしょに訪れるなら少し予習をしておこう。旭川市営の旭山動物園は現在136種・761点の動物を展示。延長は獣医師でもある小菅正夫さん。この人73年に北大を卒業したが柔道で鍛えた腕が太くなりすぎて産業獣医師を断念したという変り種。日帰りツアーでも説明されると思うけれども、映画で好演するのは西田敏行さん。飼育係長を経て旭山動物園長に就任するのは、時も時、疫病騒ぎの直後で日帰りツアーは勿論、入場者数も激減していた折である。閉園の危機に瀕するなかから、従来の「姿を見せるだけ」の展示形態から「動物の行動そのものを展示する」というコンセプトで旭山動物園を再生し、日本最北、入場者数日本一の旭山動物園を作り上げた立役者なのである。日帰りツアーに参加する時に、こういった事も見落とさないようにしたい。マキノ雅彦(津川雅彦)監督が描こうとした「ペンギンが空を飛ぶ」は小菅園長の存在なくしてはあり得なかったのだ。
旭山動物園を選んだら見所は多い。参加する場合は是非とも行動展示の醍醐味を味わって欲しい。旭山動物園では、全ての動物が「自然に行動すると、こうなる」というイメージを想定して展示施設が作られている。そのどれもが完成度が高く、苦境を脱しようとしたスタッフの工夫と熱意が生かされているのだ。日帰りツアーではガイドさんにどんどん質問をしよう。随所に生かされている工夫に頷きながらまわる日帰りツアーなら飽きることも無く一日が終わる。旭山動物園では夏季と冬季の営業切替を行うので一年中観る事はできないが、日帰りツアーのメインイベントは「ペンギンの散歩」できまり。愛くるしいペンギン達が旭山動物園内を散歩する姿は、まさしく「行動展示」の究極なのだ。マキノ雅彦(津川雅彦)監督の描く「ペンギンが空を飛ぶ」やスペシャルドラマを観た後で実地で体験したい日帰りツアーの一押しが北海道・旭山動物園なのだ。